心理描写の大家、福本伸行の作品の代表である本作は「ざわ…ざわ…」といった独特な表現も印象的で人気を博した原作もよく知られています、唯一無二の劇世界が癖になる本作の見どころとあらすじを紹介していきます。
不気味で時にコミカル、危機に直面した人間の姿を描く
第一話の言葉巧みにカイジを誘導する遠藤の話術がまさに福本作品の真骨頂です。
カイジをエスポワールに誘い込む手管はまさに悪党のやり口、押したり引いたりの駆け引きを展開しあっという間にギャンブル船に乗せてしまいます。
随所でアクの強い名台詞が織り込まれ、緊張感と同時に作者の一貫したポリシーも感じます。
一見荒唐無稽な設定、でもなぜかリアル!
その日暮らしの青年カイジは借金の保証人になった過去があった、そんな折暴力団の遠藤が取り立てに訪れた。カイジに返済の義務が回ってきたのです。
弱みを逆手に取られ、カイジはギャンブル場が設置された船「エスポワール」に乗り込み借金を返すこととなるが…最初のギャンブルは独自のルールのじゃんけん、このような「独自ルール設定」のゲームが作品の核であり、魅力でもあります。
生き残りをかけた勝負!原作の演出を見事に再現
独特の画風とセリフまわしもあいまって、ありえない設定がむしろ臨場感を増す演出となっています。
ナレーションがガイド代わりになっており見やすくなっているのはアニメ作品ならではの利点と言えるでしょう。このナレーションは回を追うごとに迫力を増しストーリーを盛り上げています。
裏切りと謀略の渦、劇中は名言だらけ
最初から手痛い裏切りで窮地に立たされたカイジでしたが仲間を引き入れて生き残りを狙います、登場人物とナレーションのセリフは日常にも応用できる名言であふれています。
ネタ的に使われる「カイジ」ですがベテラン漫画家の気概ともいうべき力強いセリフが満載です。
幾重にも張られた伏線とカイジの成長
ありえない設定に慣れてしまうのもこの作品の特徴です、カイジの痛快な快進撃にまるで自分が主人公になったかのように錯覚してしまう事も…より狡猾に、強く成長していく姿に感情移入してしまう事でしょう。