星を追う子ども(2011年)

秒速5センチメートル、言の葉の庭などで「君の名は。」以前よりも、熱烈なファンが多い新海誠作品になります。死んだ人にも出会える、どんな願いも叶える神の叡智が眠る地下の扉を開く物語になっています。新海監督らしいという評価もありますが、日本を代表する某アニメーション会社と比較されることもある作品です。

ひとりの少年との出会いが彼女の情熱に火をつける

古い防空壕を秘密基地にしているアスナは、毎日のようにそこに通い、父親の形見の鉱石をダイオードにしたラジオで音を拾っていました。そこに熊が表れます。同時に少年であるシュンがその熊と対峙し、彼女は難を逃れますが、少年は傷を負ってそのまま亡くなってしまいます。しかし彼はアスナと同じ鉱石を持っていました。死んだ人に出会えることを匂わせたシュン。彼女はその願いに戸惑うことになるのが、今作のあらすじです。

モリサキの出会いによって禁断の扉に近づく

もうひとつ大きなあらすじとしてあるのが、モリサキとの出会いです。このキャラクターは見どころや結末に関係する重要なキーパーソンになります。モリサキとの出会いによって、死者と出会えることをアスナは知ります。しかしモリサキの思惑は彼女が持つ願いの成就ではありません。亡くなった妻との出会いを求めるために、アスナを利用することにします。

喪失を抱えて生きることを教えられる結末

地下の世界に行くことに成功したアスナとモリサキ、そしてシュンの弟であるシン。モリサキは画策を行い、自分の妻を蘇らせようとし、肉体が必要になり彼女を利用します。シンはそれをとめようとし、無事アスナは自分を取り戻すことができます。そしてシンはアスナに告げます。喪失を抱えて生きること。これに対してアスナは祝福だと解釈をします。ここも見どころになっています。

蘇りの作品によくある設定だけで綿密に描かれている

結末としてアスナは地上に戻ることができますが、モリサキとシンは地下の世界に残ることになります。蘇りには肉体が必要になることをどんな物語でも描かれますが、綿密に設定された力作です。

新海誠監督作品情報